肩を動かす筋肉と肩関節の障害です。
筋肉の柔軟性が失われ、硬化したままで自然回復できず、上腕骨が肩に正しく収まっていない状態になってしまっています。肩を通る血管と神経をこの筋肉が圧迫することで症状を起こします。
まず肩甲骨を動かす筋肉に血液・リンパ液の循環を促します
次に歪んだ背骨に指を当て筋肉と靭帯を調整します。この時はとても気持ち良いので眠りを誘います。その上で、しびれなどの原因である上腕骨を肩関節に収めます。
日常生活や仕事中に背中の痛みが治らない原因は脊柱と骨盤が正常な配置になっていないからです。そのため、背骨が歪む原因をつくっている骨盤の歪みを調整します。その後首の付け根を調整します(実に来院者の99%はここにも障害があります)。痛みはないのでご安心下さい。
的確な調整により筋肉の緊張は開放され、頭の中はリラックスします。
脊柱から骨盤の施術で腕や肩などの上肢痛だけでなく、肩こり、腰痛、頭痛の広範囲の不快な症状の改善も期待出来ます。
仕上げは、二種類のいずれかの方法で行います。
一つ目は、当院が研究開発した脊柱補正版を用いて、安静状態にします。
二つ目は、ヒマシ油を脊柱に沿って貼布し加温し安静状態にします。
二種類とも脊柱の脳脊髄神経・自律神経システムを高めることが目的で、症状に合わせて選択します。
全ての施術は、およそ一時間かけて行います。
かつては五十歳になると、肩を動かす度に強い痛みが起こり可動域が制限され日常生活に支障を来す人が多くいました。これが40歳代で出現すると「四十肩」と呼ばれるのですが五十肩と四十肩は発症年齢が違うだけで、中身は同じです。
自覚症状として、肩の中に強い痛みが現れ、動かすと更に強くなります。この痛み、症状が進行すると激痛となり、睡眠にも影響を与え日常生活に支障を来します。尚、五十肩(四十肩)は石灰沈着性腱板炎とは別物です。従来では同じ病態として扱っていましたが、近年では明確に区別されています。理由は、原因と治療法が根本から違うからです。
五十肩(四十肩)はカイロプラクティックの範疇に収まりますが石灰沈着性腱板炎はステロイド(抗炎症剤)を使う、つまり整形外科の治療が必要です。
では、五十肩(四十肩)について述べていきます。
原因は肩甲骨の後ろ側の筋肉が拘縮※したことに起因します。※拘縮(こうしゅく)固く縮まること
拘縮する筋肉の名前を上げると
肩甲骨を安定させている肩甲下筋と肩関節の軸を定めている小円筋の慢性的な拘縮は、肩関節の可動域に多大な影響を与えます。拘縮が進むと肩関節が動きにくくなってしまう、それを庇って動かそうと他の筋肉が必死に頑張ります。
この時に必死になるのが肩の上にある筋肉、棘上筋(きょくじょうきん)です。そうした状況が15年ほど続くと、頑張った筋肉が先に破綻して激痛を起こしてしまいます。
同時に、この痛みに拍車を掛けてしまうのが大胸筋(だいきょうきん)の拘縮です。大胸筋は上腕骨(じょうわんこつ)二の腕の骨を安定させる筋肉です。破綻した筋肉の面積がここまで広がると、いよいよ腕が上がらなくなり、日常生活に支障がでます。これが五十肩の病態です。
悪化していく過程を表すと
といった具合です。
本格的に痛みが現れるのは4の段階で、受診される方の多くが、ここで訪れます。改善を実感できるまで平均して約2カ月を要します。
生活水準の向上やデスクワークの増加によって日常生活の中で肩は思った以上に動いていません。正確に言うと、顔の前や下では動いているのですが耳から上に持ち上げる動作をしているか?というと、実は殆どやっていないのです。
この動作がないと肩甲骨の裏側の筋肉は動く機会が少なく使わなさ過ぎて逆に固まっていきます。
使う機会が少なすぎて固くなるのが原因なら、運動すればいいと思いがちですがそれも考えものです。というのも、五十肩は段階によって対応を変えないといけません。
上記の進行表に沿っていくと、1と2の段階なら軽い運動が功を奏するでしょう。
ラジオ体操の様にゆっくり、大きく肩を回すのが理想です。日常生活の中に取り込める範囲での運動をおススメします。
3の段階での運動は当院ではおススメしません。特に激しい運動は無謀です。
4と5の段階での運動は厳禁です。軽い運動もダメです。
この段階での自然治癒は望み薄です。注意しないといけないのは、放置して痛みが消失した場合です。
この状態になるまで約2年かかりますが放置して痛みが消失したのは、完治ではなく五十肩の完成です。関節内部の軟骨や関節包が癒着で固まり、可動域を喪失しただけです。100%の回復は難しくても、当院ではこうした方でも施術自体は可能です。
まず取り掛かるのがここです。
強い痛みを感じている直接の筋肉です。
肩甲骨の真上から腕に向けて筋肉と腱が伸びていき、二の腕の骨に付着します。腕を肩と水平に挙げる時に働く筋肉で、肩甲骨の裏にある筋肉(肩甲下筋)と脇の後ろにある筋肉(小円筋)が慢性的に拘縮すると、この筋肉がやられてしまいます。
次にこの2つ。
これらの拘縮が肩関節の可動域悪化の根源です。
特に小円筋は肩が動くとき「関節の中で軸を定める」という大事な役割を担っていますから、ここが慢性的に機能不全を起こすと大変です。
大胸筋に加え、上記には載っていない棘下筋と小胸筋も加えて当院では施術していきます。大胸筋と棘下筋(きょっかきん)上腕骨を、小胸筋(しょうきょうきん)は肩甲骨の安定に関与します。ここを戻さないと、折角施術しても効果が長続きしません。
筋肉はカイロ手技、腱は超音波治療器を使用します。
超音波治療器は、音波を皮膚の中に送り該当する箇所を振動させて、痛みの物質を洗い流すという治療器です。入れ歯や眼鏡の洗浄機で、水を音波で振動させて汚れを浮かせるのと同じ原理です。腱の炎症は痛みがとても強く、手技だけでは追い付かないため当院では、こうした物理治療器も使用しています。
これ以外にも、大円筋(だいえんきん)や前鋸筋(ぜんきょきん)といった五十肩の症状自体には直接関与しませんが、肩関節の動きには影響する筋肉もあります。拘縮による影響が広がっている場合が多いので、それらも一緒に施術します。
当院では物理治療器も使用して五十肩の改善を行って参ります。
長くなってしまいましたが、五十肩でお悩みの方は是非一度、ご相談ください。